1995年に発売された『聖剣伝説3』は、スクウェア(現スクウェア・エニックス)が手掛けたアクションRPGの傑作として、多くのファンから愛されてきました。そのリメイク版『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』が2020年4月24日に発売され、期待を持って迎えられた一方で、一部のユーザーからは「ひどい」という声も上がっています。本記事では、その理由について詳しく考察します。
1. グラフィックの向上とその問題点
グラフィックの向上とその問題点について解説します。
1.1 グラフィックの進化
リメイク版では、オリジナルの2Dグラフィックから3Dグラフィックへと大幅に進化しました。キャラクターデザインや背景、エフェクトなどが現代的なクオリティで再現され、視覚的に非常に美しい作品となっています。特に、キャラクターの表情や動きが細かく表現され、物語の臨場感が増しています。
1.2 グラフィックの問題点
しかし、このグラフィックの進化が全てのユーザーに受け入れられたわけではありません。特に、オリジナルのファンからは「キャラクターデザインが変わった」「雰囲気が違う」という不満の声が上がっています。オリジナルのシンプルで可愛らしいデザインを好んでいたユーザーにとっては、リメイク版のリアル寄りのデザインが違和感を感じさせる要因となっています。
また、一部の背景やエフェクトが過剰に演出されているため、視覚的に混乱を招く場面もあるようです。特に戦闘中にエフェクトが重なると、キャラクターや敵の動きが見づらくなり、操作性が低下するという指摘もあります。
2. ゲームプレイの変更とその影響
ゲームプレイの変更とその影響について解説します。
2.1 戦闘システムの変更
リメイク版では、戦闘システムが大幅に変更されました。オリジナルはターン制に近いシステムでしたが、リメイク版ではリアルタイム戦闘に変更され、よりアクション性が高くなっています。これにより、戦闘のテンポが速くなり、爽快感が増したと評価するユーザーもいます。
2.2 戦闘システムの問題点
しかし、この変更が全てのユーザーに受け入れられたわけではありません。特に、オリジナルの戦闘システムを好んでいたユーザーからは「戦略性が低下した」「操作が煩雑になった」という不満の声が上がっています。リアルタイム戦闘になったことで、敵の動きや攻撃パターンを読みながら戦略を立てることが難しくなり、単純なボタン連打で戦闘が進んでしまう場面も多いようです。
また、AIの挙動に問題があるという指摘もあります。味方キャラクターのAIが低く、戦闘中に適切な行動を取らないため、プレイヤーが全てをコントロールしなければならない場面が多々あります。これにより、戦闘が煩雑になり、ストレスを感じるユーザーも少なくありません。
3. ストーリーとキャラクターの再現
ストーリーとキャラクターの再現について解説します。
3.1 ストーリーの忠実な再現
リメイク版では、オリジナルのストーリーが忠実に再現されています。6人の主人公の中から3人を選び、それぞれの物語が交錯するマルチストーリー形式はそのままに、より深みのある描写が追加されています。特に、キャラクター同士の会話やイベントシーンが増え、物語の理解が深まるようになっています。
3.2 キャラクターの再現とその問題点
しかし、キャラクターの再現に関しても不満の声が上がっています。オリジナルのキャラクターの魅力が十分に再現されていないという指摘です。特に、キャラクターの性格や台詞が一部変更されており、オリジナルのファンからは「キャラクターの魅力が薄れた」という声が聞かれます。
また、新たに追加されたボイスアクターの演技に関しても、評価が分かれています。一部のキャラクターの声がイメージと合わないという意見や、演技が棒読みで感情が伝わらないという批判もあります。
4. その他の問題点
その他の問題点について解説します。
4.1 バグや不具合
リメイク版では、発売当初からバグや不具合が報告されています。特に、ゲームがクラッシュする、セーブデータが消失するといった重大なバグが発生しており、プレイヤーの進行を妨げる要因となっています。これらの問題は、発売後のアップデートで修正が進められていますが、初期の印象を損なう結果となっています。
4.2 価格設定
リメイク版の価格設定に関しても、不満の声が上がっています。オリジナルのゲームに比べて高額な価格設定となっており、そのクオリティに対して「高すぎる」と感じるユーザーも少なくありません。特に、グラフィックやゲームプレイの変更が必ずしも全てのユーザーに受け入れられたわけではないため、価格に見合った価値を感じられないという意見もあります。
まとめ
『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』は、オリジナルの魅力を現代的なクオリティで再現しようとした意欲作です。グラフィックの進化や戦闘システムの変更など、多くの点で進化を遂げていますが、その一方でオリジナルのファンからは「ひどい」という声も上がっています。グラフィックやゲームプレイの変更が必ずしも全てのユーザーに受け入れられたわけではなく、バグや不具合、価格設定なども不満の要因となっています。
しかし、これらの問題点は今後のアップデートや改善によって解消される可能性もあります。リメイク版が全てのユーザーに受け入れられるかどうかは、今後の展開次第と言えるでしょう。オリジナルのファンも新規のプレイヤーも、それぞれの視点でこの作品を楽しむことができれば、『聖剣伝説3』の新たな魅力を発見できるかもしれません。